研究課題/領域番号 |
23760046
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松下 智紀 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50554086)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 波長変換素子 / 擬似位相整合 / 化合物半導体 / 分子線エピタキシー |
研究概要 |
本研究の目的は、直線導波路モード位相整合と曲げ導波路擬似位相整合を達成したハイブリッド位相整合波長変換素子の開発し、既存の直線導波路では実現不可能な超小型な波長変換素子を実現することである。本年度はこのハイブリッド位相整合素子の設計と作製プロセスの確立を目指した。 AlGaAsコア/SiO2クラッドのリブ導波路型ハイブリッド位相整合素子について結合波方程式に基づく数値計算を行った。その結果、直線導波路と曲げ導波路での第二高調波がコヒーレントに足し合わされるコア幅, コア膜厚と曲げ半径の関係をつきとめ、理論的にハイブリッド位相整合が達成可能であることを明らかにした。また、導波路コア中に互いに空間反転した構造(反転積層)を導入することで素子の変換効率の向上を期待でき、導波路長53.5 mmのとき素子の変換効率が47400 %/Wと計算され、既存の同じ導波路長を持つLiNbO3導波路型素子と比べると20倍の変換効率を実現できることを示した。この53.5 mm導波路長の素子は導波路を折り畳むことで1.1 mm × 3.5 mmのサイズに小型化可能である。 素子の作製については、まず反転積層構造を導入することによる変換効率の向上を確認するために、反転積層Al0.5Ga0.5Asコア/Al0.8Ga0.2Asクラッド直線導波路の作製を行った。Arプラズマを用いた表面活性常温接合により、エピタキシャル成長したAlGaAsコア同士を接合することに成功した。さらに、ウェットエッチングを用いることで、反転積層AlGaAsリッジ型導波路の作製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に設計をほぼ終わらせることができた。また、作製プロセスのキー技術であるコア同士の接合プロセスを確立できたために、残りの作製プロセスに関しては楽観視している。
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今後の研究の推進方策 |
作製した反転積層AlGaAsリッジ型直線導波路の波長変換特性を評価する。さらに、直線導波路のリソグラフィーの代わりに、曲げ構造をEBリソグラフィーで作り込むことで、ハイブリッド位相整合素子を作製し、曲げ導波路擬似位相整合を初めて達成する予定である。また、SiO2クラッド同士の接合は比較的難易度が高いため、AlAsの熱酸化したAloxをクラッドとして用いる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に必要な備品は既に準備済であるので、消耗品などの小額物品費、成果発表の旅費と論文の出版費に使う予定である。
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