本研究では、コンダクティング原子間力顕微鏡とラマン顕微鏡を組みあわせた近接場ラマン分光顕微鏡の開発を行った。熱酸化した原子間力顕微鏡用のシリコン製カンチレバー探針を銀コートし、導電性および1000倍以上の電場増強効果を有する近接場プローブを作製した。さらに、金属探針の熱ドリフトを光学的に自動補正する機構を開発し、サブナノメートルスケールの測定精度を実現した。開発した近接場ラマン分光システムを用いて近接場振動シュタルク分光測定を行った結果、4cm-1/Vのシュタルクチューニングレートを得ることに成功し、金属プローブ下での分子構造・機能制御の可能性を示した。
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