研究課題
平成25年度に実施した研究の成果は,次の3点である:(1)本シミュレータを静電駆動されるマイクロ片持ちはりに適用し,実験結果との比較に基づき,その信頼性が定量的に確認された.(2)本シミュレータにより,マイクロマシン振動特性が構造‐流体‐静電界連成効果により,質的に変化することを明らかにした.(3)本研究成果をマイクロマシン用CAEシステムや昆虫飛行型マイクロマシンに展開するための基礎的検討を開始した.本研究の総括は次の通りである:マイクロマシンにおいては,マイクロ化に伴うスケール効果により,構造,流体および静電界の3つの現象が強く連成するので,マイクロマシンを合理的に設計するための信頼性の高い汎用マルチフィジクスシミュレータが必要とされている.そこで本研究においては,マイクロマシンの研究開発に寄与するために,一体型解析と分離型解析の利点を兼ね備えた新しいハイブリッド強連成解析に基づくマイクロマシンの汎用マルチフィジクスシミュレータを開発した.本ハイブリッド強連成解析は,構造‐流体‐静電界連成を流体‐構造連成と静電界に分離し,さらに流体‐構造連成を圧力場と速度場へと階層的に分解する新しい有限要素解法である.本シミュレータは,並列計算機上に実装され,強連成を伴う3次元振動を高速・高精度に数値解析することができる.本シミュレータを典型的なマイクロマシンに適用し,実験との比較に基づき,その信頼性を定量的に確認した.実験で用いたマイクロマシン用振動試験装置は,本研究で新たに開発したものであり,真空・空気中において,時空間的に高精度に制御された電圧により,マイクロマシンを駆動し,その振動変位・速度を時空間的に高精度に測定できるものである.さらに本シミュレータを用いて,マイクロマシンの振動特性が構造‐流体‐静電界連成効果により定量的はもちろん定性的にも変化することを明らかにした.
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日本機械学会論文集
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