研究課題
コンピュータテクノロジーの発展により,製品の設計,製造を効率化するためにCAD/CAMシステムが広く使われるようになっている.しかし,現在のCAMシステムは扱うのに豊富な経験と知識を必要とし,効率的な加工パスを作成することは困難である.加工を高効率に行うために,CADモデルの形状を分析し,最適な加工方法を選定し,最適な加工条件を選択する必要がある.一方,コンピュータグラフィックス(CG)の分野では,三次元モデルの画像処理に関する研究が盛んであり,三次元モデルの特徴分析,簡略,分割,比較などの技術が進んでいる.そこで,本研究では,三次元形状を表現したモデルに対して,CG画像処理技術を応用し,CG画像処理技術とCAMシステムを有効に融合することにより,より高効率な加工パスを生成ることができる新しい加工支援システムの開発を目指している.科研費で購入した4軸加工機と三次元形状測定器を用いて,これまでに行ってきた基礎的な実験を継続して行うとともに,新しく加工支援システムの構築として2年間の研究を行った.主な研究成果は以下の三つに挙げられます.(1)三次元モデルの粗加工工程に対して,CG画像簡略化技術を用いて,新しい粗加工支援システムを開発した.実験結果より,本研究で提案した粗加工法は従来の加工法より,約30%の加工時間を削減することが可能となる.(2)三次元モデルの仕上げ加工工程に対して,CG画像分割技術を用いて,仕上げ加工支援システムを開発した.本研究で提案した手法より,自由曲面を適切分割することで,仕上げ加工のツールパスの長さを約5%~24%短縮することが出来る.(3)CG画像特徴抽出技術を用いて,加工工程自動決定システムを開発した.本研究で開発したシステムは,ユーザーの代わりに,三次元モデル形状を分析し,最適な加工工程を提案することができる.
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Key Egineering Materials (Emerging Technology in Precision Engineering XIV)
巻: Vol. 523-524 ページ: 463-468