質感などの感性品質の評価は、事前の期待(予測)との差に影響を受ける。また、事前の期待は、感性品質の知覚自体に影響する。この影響を期待効果とよぶ。本研究では、製品表面の触感を対象として、視覚による予測が触覚に与える影響を明らかにするための新しい評価・解析法を開発した。ハーフミラーを用いて、視覚と触覚情報を仮想的に合成することにより、任意の視覚情報を操作する装置を製作した。これを用いて、視覚予測ありとなしの場合の触覚評価を比較することにより、視覚予測の影響を抽出可能とした。さらに、主観確率分布の情報エントロピーを用いてあらわした予測の不確実性の値を閾値として期待効果の発生条件を示した。
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