研究課題
近年、移動機器の動力・電源に適用されるターボ機械の小型化への要求は強くなっており、10mm以下の軸を100万rpm以上で超高速回転させる超小型・超高速回転ターボマシンに関する研究が活発になっている。現在100万rpm超といった超高速回転を実現している静圧空気軸受は、高圧空気を供給するためにコンプレッサなどの付帯設備が必要となるため小型化が困難である。そのため、付帯設備を必要としない動圧型空気軸受の安定限界の向上が要求されている。そこで本研究では、100万rpmを超える超高速回転が可能な動圧型空気軸受を実現するために半球突起を施したディンプルフォイルを用いた動圧型空気フォイルジャーナル軸受を提案した。前年度に得られた知見をもとに提案するフォイルジャーナル軸受を用いたターボシミュレータを設計すると同時に,それらに用いる第一世代バンプフォイルスラスト軸受を実際に製作し、高速回転域における静的特性について実験的・数値的に検証を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)取り扱ったフォイルスラスト軸受の最大負荷容量は350,000 rpmにおいて4.9 N(平均面圧 0.045MPa)に達することが実験的に明らかとなった。(2)提案する数値計算手法によって、取り扱ったフォイルスラスト軸受の静的特性は定性的に良い一致を示す計算結果を得ることができる。本研究では、超高速回転に対応した軸受として半球突起を施したディンプルフォイルを用いた動圧型空気フォイルジャーナル軸受を提案し、その有効性を、理論的、実験的に明らかにした。今後、提案した動圧型空気フォイルジャーナル/スラスト軸受を搭載するターボシミュレータについて回転特性を実験的に明らかにすることで超小型・超高速ターボマシンの開発を目指す。
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Proceedings of the ASME/STLE 2012 International Joint Tribology Conference
巻: 2012-10 ページ: 2012-61130