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2011 年度 実施状況報告書

ラグランジュ形式による非球形気泡群の運動を記述する力学モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23760142
研究機関大分大学

研究代表者

栗原 央流  大分大学, 工学部, 准教授 (90344481)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード気泡 / 混相流 / キャビテーション / 衝撃波 / 結石破砕
研究概要

本研究の目的は,ラグランジュ形式による一般性の高い表現を用いることで気泡群の力学方程式系に対する数式処理システムの高度な利用を可能とし,非線形相互作用を考慮した複数のキャビテーション気泡の運動を記述する力学方程式を導出すること,ならびにその力学方程式の導出と気泡運動の解析を自動化するツールを開発することである.これにより,気泡崩壊にともなう高速噴流の形成,キャビテーションによる壊食などのメカニズムを解明することを目指す.今年度は,球面調和関数を用いた多重極展開法を用いてその次数とモードに応じた気泡の体積振動,並進運動,形状振動を記述する力学方程式を導出し,これまで得られていた軸対称2次元の気泡の運動を記述する方程式系を任意の個数の気泡群に対する3次元問題を記述可能な方程式系へと一般化した.それと同時に,気泡の崩壊にともなう高速噴流の形成の球面調和関数の高次のモードに対する依存性を調べた.その結果,噴流の形成には8重極の変形モードが支配的な寄与をすることが示された.気泡崩壊時に形成される噴流の強さや形成時刻に対するより高次のモードの寄与は極めて小さく,気泡の定性的なふるまいは8重極のモードまでで決定されることが分かった.また,ここで得られた力学方程式を用いて3個の非球形気泡からなる系の数値シミュレーションを行い,方程式系の妥当性を検証すると同時に3次元問題に一般化された系での気泡間相互作用の気泡運動に対する依存性の基礎的な評価を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は解析力学(ラグランジュ力学)に基づいた定式化により,キャビテーション気泡の運動を記述する方程式の導出を行なった.また,次年度に行う数値解析コード開発に向け,得られた力学方程式を用いて3個の非球形気泡からなる系の数値シミュレーションを行ない,方程式系の妥当性を検証すると同時に3次元問題に一般化された系での気泡間相互作用の気泡運動に対する依存性の基礎的な評価を実施した.

今後の研究の推進方策

次年度では,複数の気泡からなる系に対する力学方程式から生成される数値計算コードを使って任意の個数の気泡からなる気泡群のふるまいの解析を行う.それと同時に,気泡の個数に対する計算負荷の評価を行い最終的な目標である大規模気泡クラスタのシミュレーションに向けたコードのチューニングを実施する.

次年度の研究費の使用計画

大規模な数値シミュレーションの実施に向け,最適化コンパイラならびにワークステーションを導入する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional dynamical equations of2011

    • 著者名/発表者名
      E. Kurihara
    • 雑誌名

      J. Acoust. Soc. Am.

      巻: 130 ページ: 2503

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Model for the dynamics of two interacting2011

    • 著者名/発表者名
      E. Kurihara et al.
    • 雑誌名

      J. Acoust. Soc. Am.

      巻: 130 ページ: 3357-3369

    • 査読あり
  • [学会発表] 多重極展開による気泡の変形と気泡間相互作用の定式化2011

    • 著者名/発表者名
      栗原央流
    • 学会等名
      流体力学会年会2011
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011.9.8
  • [学会発表] 相互作用を考慮した非球形気泡群の非線形振動解析2011

    • 著者名/発表者名
      栗原央流
    • 学会等名
      非線形波動現象の研究の新たな進展(京都大学数理解析研究所研究集会)
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011.10.13

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公開日: 2013-07-10  

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