研究課題/領域番号 |
23760143
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田坂 裕司 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00419946)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 摩擦抵抗低減 / 気泡流 / 船舶 / 省エネ / 流体計測 / 流体力学 / 乱流制御 |
研究概要 |
本研究の主な目的は,これまでに研究が行われてきた気泡による摩擦抵抗低減手法に対し,注入気泡を断続的・周期的にすることにより高効率化することである.研究は,周期的な気泡注入がどのようなメカニズムにより,より効果的な摩擦抵抗低減をもたらすかを明らかにする「解明」のフェーズと,どのように最適な気泡注入を行うかの「最適化」のフェーズがあり,それらを平行して進めている.「解明」のフェーズに関しては,移流する気泡群のクラスター形成に関する基礎的な実験調査を行い,種々の条件(流れのレイノルズ数やボイド率)に対するクラスター化の特徴を,過去の研究成果も含めてマッピングすることに成功した.これらに気泡群周りの流れの情報(流れの乱流化など)を加えることにより,統一的なメカニズムの解明につながると考えている.上記の研究に加え,既存の実験チャネルを改造し,購入した撮影中の移動が可能な高精度の高速度カメラを組み込んだ計測システムを構築した.これを用いることにより,研究を継続する次年度には移流する気泡群周りの流れ計測が可能になると考えている.そのほか,超音波流速分布計を用いた流れと自由界面との同時計測システムの開発も進めており,計測の不確かさなどまだ改善点が多いものの,将来的なシステムに組み込むプロトタイプとしては成功を収めた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各項目では進展内容が前後するが,時間のかかるシステム開発も進んでおり,達成度はおおむね順調であると考えている.また,研究の進展に伴い予定外の新しい小研究テーマも派生し,研究の幅が広がっていると考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
これまれに得られた成果を踏まえ,さらなる低減メカニズムの解明に努めるとともに,室内実験用の計測システムから実用的なシステムへの発展を試みる.基礎研究部分については研究成果を論文にまとめ,研究期間終了時には英文紙への論文投稿を進める予定である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
-
|