浄水処理や空気清浄などの濾過技術は現代の生活に欠かせない。原理は懸濁液を細孔をもつ濾過膜に透過させることが主となるが、時間経過とともに膜に積層する懸濁物質の層(ケーク)による圧損の増大により透過量が減ることが工学的問題となる。ケークの積層を減らしながら濾過を続ける効果的な手法の一つにクロスフロー濾過があるが、効果を高くするためにはクロスフロー濾過においては透過流を乱流状態にすることが重要である。本研究でスパン方向に軸をもつ渦を誘起することが、乱流への遷移を促す上で効果的であることを明らかにし、乱流状態の程度を特徴づけるクロスフローのレイノルズ数と積層するケークの成長率の関係を提示する。
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