研究概要 |
熱流体機器の高効率化に向けて,圧力損失を抑制しつつ,熱・物質輸送を促進することは,基礎的、且つ重要な課題である.本研究では,最も基礎的な系として平行平板間完全発達乱流場を対象として,運動量とスカラー輸送方程式,及び壁面境界条件に立ち返り,数学的な観点から速度場とスカラー場の非相似性を生み出す因子を整理した.この知見に基づき,最適制御理論を用いて壁面からの吹き出し/吸い込みの時空間分布を最適化することによって,世界に先駆けて抵抗低減と伝熱促進の同時達成を実現した.更に,得られた最適制御分布は,流れ方向に伝播する進行波の様相を呈することを示した.この知見に基づき,流れ場のセンシングを必要としない単純な開ループ制御則を提案した.
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