固体高分子形燃料電池は、近年特に自動車用動力源として期待されている。本研究ではそのカソード(正極)における酸素還元触媒として、白金族金属を用いない金属酸窒化物の高性能化に取り組んだ。研究期間前半は特にハフニウム酸窒化物(HfO_xN_y)触媒における反応が進行しているサイトの解明に注力した。HfO_xN_y触媒においては、窒素原子の置換導入が性能の最大化に必要不可欠であること、Hf_2ON_2相の結晶化度と性能に正の相関があることを見出した。研究期間後半では、金属酸窒化物触媒表面への導電パスとなる炭素担体ならびにチタン酸窒化物触媒の開発にも取り組んだ。触媒性能の評価指標である反応開始電位は、最大で白金触媒のそれの9割を超えた。
|