研究課題/領域番号 |
23760195
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
小橋 好充 金沢工業大学, 工学部, 講師 (80469072)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 内燃機関 / 噴霧 / 燃焼 / 燃料 |
研究概要 |
燃料の多様化が進み,燃料特性およびその供給法の自由度が比較的容易に高められる昨今,そのポテンシャルを引き出す燃焼制御法を模索することは重要である.そこで,本研究ではとりわけ燃料の着火性に着目した高効率・低エミッション型燃焼法の構築を図る.具体的には,着火性に高低をもたせた二種類の燃料の蒸気濃度およびそれらの燃焼時期が圧縮自己着火燃焼の排出ガス特性と熱効率に及ぼす影響を調べた.実施に際しては,二燃料を圧縮着火機関の吸気管と燃焼室へそれぞれ個別に供給するデュアルフーエル方式を採用した.吸気管噴射により希薄な混合気が形成され,燃焼室内直接噴射により相対的にリッチな混合気が形成される.また,それぞれの噴射装置から供給される燃料の着火性と量ならびに直接噴射の時期により,燃焼時期が従属的に変化する.このような実験を通じて,【A:低着火性燃料を希薄に分布させ,高着火性燃料をリッチに分布させる場合】と【B:高着火性燃料を希薄に分布させ,低着火性燃料をリッチに分布させる場合】を比較し,次の知見を得た.すなわち,(1)着火性に高低のある二燃料を不均一に分布させることで,燃焼速度が抑制される.(2)Bの方がAに比べ,未燃燃料成分の排出が少なく,燃焼効率が高い(3)NOxの生成要因は直接噴射が形成するリッチ混合気である.ただし,BはAに比べ,より遅い時期までの直接噴射が可能な(失火しない)ため,リッチ混合気の燃焼時期が遅れることでNOx生成量が少ない.(4)(2)にかかわらず,Bの熱効率はAのそれに比べて低い.これはBの場合,着火性の高い希薄混合気が過早期に着火するためである.ただし,排気ガス再循環等,内燃機関の制御に用いられる別手法を併用し,この時期を遅らせるとAに比べて高い熱効率が得られることを実証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際の内燃機関を用いた燃焼解析と排出ガス特性の測定は当初の計画どおりに進んでおり,上に述べた知見も得られた.また,事前準備として進めてきた筒内直接ガスサンプリングならびに採取したガス中の窒素酸化物濃度計測もおおむね完了している.一方,燃焼の可視化観察に関しては,可視化用伸長ピストンとガラス部の破損に伴い,再設計と製作を要したことから遅れ気味にある.以上のことを総括して,「おおむね順調に進展している」と判断する.
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今後の研究の推進方策 |
継続して,実際の内燃機関を用いた燃焼解析と排出ガス特性の測定を実施する.これまでとは異なり,燃料および圧縮比を実験変数に追加して,より広範囲な運転条件に対する知見を得る.また,燃焼の可視化,ならびに筒内からの直接的燃焼ガスサンプリングとその分析にも従事して,実機関の知見に基づいた仮説を実証する.これらのことを総合的に勘案して,高効率・低エミッションのための指針を示す.
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次年度の研究費の使用計画 |
全ての実験において,解析・考察が容易な単成分燃料を購入し,使用する.また,内燃機関の排出ガス特性の測定および筒内直接ガスサンプリングによる化学種分析には種々の標準物質が必要となるため,それらを購入し,使用する.さらに,可視化機関のための合成石英ガラスならびにレンズ群を購入し,使用する.
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