アクティブ振動制御用の従来の制御器設計では、振動抑制性能と制御入力の大きさのトレードオフの下で最適化を考えることが多い。しかし、これは制御系による継続的なエネルギー消費を前提とした考えであり、制御対象となる振動系から取り除いたエネルギーを回生できる系に対しては適切でない。そこで、本課題ではエネルギー回生アクティブ振動制御系に適した制御器の設計問題を制御入力の飽和とエネルギー収支という2つの制約条件の下で制御性能を最大化する問題と考え、これに沿った制御器として適応ゲインモード制御器と調和入力を用いたモデル予測制御器の2つを提案した。そして、これらの基礎的有効性を数値シミュレーションにより示した。
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