研究実績の概要 |
内視下手術に続く次世代の低侵襲手術として,単孔式腹腔鏡手術などの新しい術式が開発されている.このような革新的超低侵襲手術における手技を支援するための手術デバイスの開発が期待されている.そこで,これまでの単孔式腹腔鏡手術と研究代表者らが提案してきたモジュール型手術ロボットのコンセプトに更にNeedlescopic surgeryのコンセプトを組み合わせた手術ロボットを提案した.提案するコンセプトでは,単孔式のように臍部からロボット・モジュールやカメラ・モジュールを挿入し,体内で3 mmのシャフトに取り付けて使用する.このアプローチでは,体表の傷を最小限にしながらも体内に様々な機能モジュールを挿入できる.また,Needlescopic surgeryでは術具が細すぎることが問題となるが,この手法では術具の径を大きくすることが可能となる. このコンセプトの有用性を示すため,3自由度のロボット・モジュールを開発した.このモジュール・ロボットは±90°の屈曲,360°の回転,把持が可能である.把持部の先端を独立して動かすことにより,屈曲と把持を実現させている.全体のサイズは直径が16 mm,長さが51 mmである.患者の体腔内を再現したモデルを用いて開発したロボット・モジュールの動作を確認した.シャフトとロボット・モジュールの体腔内での組み立てや設計した動作が可能であり,提案するコンセプトの有用性を示すことができた.
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