研究課題/領域番号 |
23760224
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田崎 勇一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10547433)
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キーワード | 動作計画 |
研究概要 |
研究計画に含まれていた取り組み項目の内,干渉回避などの非凸問題の大域的最適化については,干渉回避を拘束条件として含むロボットアームのリーチング動作計画を実現した.しかし問題の非凸性を考慮した大域的な最適化に関する有効な方策は時間内に見出すことが出来なかったため,今後の課題としたい. スケジューリングを要する複数タスクの計画については,ロボットが複数のタスクを順序的,るいは並列的に実行するための動作計画の記述方法とその解法をある程度明らかにした.しかしながら,現状では各タスクの実行順序は所与としているため,今後はタスクの実行順序の決定も動作計画の枠組みに含める方法を検討したい. 実用化の観点からは,ロボットアームの実機に対して,所定の制御周期内で動作計画を行い,それをもとにロボットへ関節角度指令値を送信するリアルタイム制御系を構成し,実験により評価を行った.予定していた制御遅れの影響の考察や状態推定への応用には時間的理由により着手できなかった. 最後に第三者利用への取り組みについては,動作計画手法のソフトウェアライブラリ化,ドキュメント整備は大幅な進捗があった.実際の公開は未完了であるため早急に進めたい.また,GUIなどの利用しやすいユーザインタフェースを備えた開発環境の用意は未着手であるため,今後の課題とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた実施項目の内,基礎的な部分である干渉回避問題,複数タスクの計画問題,実機適用,ソフトウェア整備についてはほぼ計画通りの成果を得ることができたと言える. 一方で,より発展的な課題である大域的最適化,スケジューリング,実機応用における制御遅れなどの検討については,期間内に具体的な成果につなげることが出来なかった.二年間という限られた期間を考えれば致し方ないとも言えるが,計画策定段階において実現可能性をより慎重に考慮すべきであった.
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今後の研究の推進方策 |
期間中に得られた研究成果の対外発表やソフトウェア公開を進めつつ,より詳細な実機評価を行う. また,計画には記載されていたが研究期間中に十分な検討を行えなかった項目に取り組む.理論面では大域的最適化とスケジューリング問題がある.これらについては,タスクの因果関係を表現したオートマトン上の探索と従来の拘束ベースの計画を組み合わせた手法を検討する. また,実機応用においてはロボットアーム以外の形態(例えば歩行ロボット等)への適用を試みる.
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次年度の研究費の使用計画 |
成果発表に係る論文掲載料の支払い,および実機評価に必要な実験機材の製作費に充当する.
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