研究課題/領域番号 |
23760229
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田隈 建二郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30508833)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 知能機械学 / 機械システム / ロボット機構 / 機構設計 / 移動機構 |
研究概要 |
本研究においては、円形断面クローラの小型・軽量化及び機体全体の対称構造化を優先課題として設定し、以下を目標として設定した。(1)小型円形断面クローラ部分の構成の成立性の確認、(2)円形断面クローラの小型化の性能, つまり直径を1/2 以下に抑え、且つ全方向移動性維持の確認、(3)対称構造化による転倒対応機能の実験を通しての有効性の確認である。 上記目標を達成すべく、機体の小型化・対称構造化の達成および、当達成による全方向からの転倒後の走行継続性を、実機を用いた実験を行い、その妥当性を確認した。基本走行・投擲試験により機能の確認および目標性能を上回る転倒における走行継続性の性能を屋外走行試験を通して確認した。 さらに、三連式の構造のための衝撃吸収装置の考案、試作による機能確認を次なる課題として、例えば,駆動力伝達ベルトに緩みを発生しない構造の考案・試作や,対象構造型の衝撃吸収装置の考案・設計・試作による機能確認などを設定し、試作機の設計を行っている段階である。衝撃吸収要素の剛性と減衰係数を調整することで、対称型構造の衝撃吸収機能が効果的に働かせることが可能になる構成した設計となっている。この構造は、環境投入時のみならず、不慮の転倒が起こり得る不整地移動ロボットにおいて、著しく有用であり、全方向衝撃吸収装置として、高い実用性のみならず、設計の機能的全方向化という共通項を生み出すといった、学術的にも重要な内容に仕上げることができるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに,当初今年度予定していた(1)小型円形断面クローラ部分の構成の成立性の確認、(2)円形断面クローラの小型化の性能, つまり直径を1/2 以下に抑え、且つ全方向移動性維持の確認、(3)対称構造化による転倒対応機能の実験を通しての有効性の確認は,概ね達成できており、このことは、スケジュールを意識しての取り組みと、学術講演会発表時に各先生方からのご意見を素早くフィードバックしてよりよい研究内容に仕上げていくという努力を継続したためであると考えている。今後の実用化を目指しての耐久性の向上が課題としてあるが、それも実機試作を何度か行い改良を重ねる上で達成可能である。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように、研究達成度は概ね良好で、進捗はいいペースで行う事ができているため,研究そのものの推進は今の状態を維持し、学会などの学術発表の方にも今年度は力を入れて取り組んでいく予定である。さらに、それら学会発表を通して得られた先生方含む聴講者からのご意見を、研究内容に出来るだけ早くフィードバックし、実環境で役立つ技術に仕上げるため、さらに実用性を高めることを意識して研究に取り組んでいくことを考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、研究内容の達成度も高さを維持しており、引き続き前年度の研究費を研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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