研究課題
研究期間全体を通じて4.0×2.7×2.5mmサイズの人工筋肉ワイヤ(形状記憶合金の一種)を駆動機構に採用したMEMSマイクロロボットの機械機構および,機械機構を駆動するアナログ高集積回路による人工知能である電気・電子機構について開発をおこなった。開発の結果,蟻の歩行動作を模倣した世界最小の6足歩行を実現するマイクロロボットの開発に成功し,かつ生物の脳と同様にプログラムの必要ない人工知能による歩行動作の生成が可能であることを明らかにした。本研究を基に,将来的にロボットにマニピュレータやセンサ等を搭載し,人工知能回路が環境に応じて自律的にロボットを駆動し,人間の体内での医療補助や精密機械の狭小部分でのメンテナンス作業等に応用可能である。また,最終年度において,4.0×4.6×3.6mmサイズの圧電素子を駆動機構に採用したMEMSマイクロロボットの機械機構および,駆動に必要な電気・電子機構についても合わせて開発をおこなった。人工筋肉ワイヤによる駆動機構は変位量が大きい,圧電素子による駆動機構は電力消費が少ないとそれぞれ異なったメリットがあり,状況に応じて選択的にロボットシステムに採用可能である。アナログ高集積回路による人工知能回路については,東京大学大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC)およびDigian Technology Inc.を利用し作製したアナログ高集積回路が動作し,従来10cm角程度の実装部品を用いた人工知能回路を,2mm角程度まで大幅な回路面積の縮小に成功した。一般的にロボットの動作制御は,マイクロコントローラ等を用いたデジタル制御である。今回試作した人工知能回路は生物の脳と同様に,神経細胞が出力するパルス波形を基に,ロボットの動作制御が可能である。研究期間全体を通じて,1件の英文著書,4件の英文論文誌,2件の邦文論文誌に研究を掲載し,査読付きの国際会議に7件発表した。また,1件のテレビ取材を受けその様子が放映された。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
International Journal of Advanced Robotic Systems
巻: (now printing)
Proc. of The Nineteenth International Symposium on Artificial Life and Robotics 2014
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