研究課題/領域番号 |
23760246
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
永瀬 純也 関西学院大学, 理工学部, 契約助手 (70582245)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 剛性可変 / 表面剛性 / 腱駆動 / ロボットハンド / バルーン / 予測機能制御 |
研究概要 |
本研究は,操り動作と柔軟把持動作,および摩擦力を利用した動作と滑り動作に対してそれぞれ存在する相反する要求仕様の問題を解決するために、フィンガの表面剛性をタスクに応じてアクティブに変化させることのできる表面剛性可変型ロボットハンドの開発を目的とする。当該年度は以下の研究を実施した.1.剛性可変フィンガの設計と試作評価:シリコーンラバーと強化繊維で構成された表面剛性が変化可能なフィンガの機構を提案し,設計・試作・評価を行った.また実験により,フィンガ内部の印加圧力の調整により表面剛性が容易に変化可能であることを示した.2.剛性可変型ロボットハンドの設計と試作評価:剛性可変フィンガを用いたロボットハンドの設計・試作評価を行った.試作したハンドは総重量が0.27kgと成人男性の人間の手より軽量である.また,把持動作やつまみ,手掌支え動作等が可能であることを実験により示した.本ハンドは,フィンガ内への空気圧が無印加時にはシリコーンチューブで構成された柔らかな体節により柔軟な把持が可能であり,ヒトの手で把持した場合と同等の接触面積が得られることを実証した.また,空気圧の印加によって表面剛性を変化させることにより,フィンガ表面の静止摩擦係数が調節可能であることを実証した.3.空気圧バルーン型腱駆動アクチュエータの力制御系の構築:本研究のロボットハンドのアクチュエータである,空気圧バルーン型腱駆動アクチュエータの力制御に予測機能制御系を適用し,PID制御と比較することでその有用性を示唆した.実験では,バルーン型腱駆動アクチュエータを用いた1リンクフィンガを製作し,フィンガ先端の力制御特性の評価を行った.実験の結果,PID制御よりも予測機能制御を適用した場合の方が,特に過渡特性について良好な結果が得られることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的は「フィンガの設計・試作・評価」であったが,当該年度の成果としては、「フィンガの設計・試作・評価」,さらに「ロボットハンドの設計・試作・評価」「アクチュエータの制御」であり、当初の計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,剛性可変フィンガの予測機能制御を用いた力制御系の開発を行う.またロボットハンドの表面剛性可変に必要なセンサの設計・開発を行う.さらにロボットハンドによる表面剛性に応じた把持・操り制御の技術開発を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は343,574円の未使用額が発生したが,これは当初予定していた学会出張(海外)の予定が次年度に変更になったためと,ジュラコン樹脂の購入のタイミングが遅れてしまったためである。そのため次年度は,本年度発生した未使用額により予定が変更になった学会出張およびジュラコン樹脂の購入を行う.また次年度分の研究費により,剛性可変フィンガの力制御実験に必要な力センサ,動ひずみ計,試験治具,コンプレッサ,電源装置,その他消耗品、およびアクチュエータ製作に必要なシリコーンチューブ,さらに,剛性可変フィンガ製作に必要なシリコーンゴムを成型するための定温乾燥機,ロボットハンド製作に必要なポリアセタール樹脂,圧力センサを購入する.また、論文投稿に必要な,英文校正料,論文投稿料,別刷料および学会発表に必要な交通費・宿泊費・参加料などにも使用する.
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