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2011 年度 実施状況報告書

高性能電磁界数値解析のための新たな高速線形反復解法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23760259
研究機関京都大学

研究代表者

美舩 健  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20362460)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード計算電磁気学 / 有限要素法 / 並列処理 / マルチグリッド法
研究概要

平成23年度は主に、本課題の主要な研究テーマである、辺要素に基づく有限要素法のための代数マルチグリッド法の開発を行った。まず、静磁界計算において電磁界のベクトルの3成分を分離して扱う新しい前処理手法を考案し、その理論的基盤について検討を進めるとともに、比較的簡単なモデルについて固有値解析を行うことでその有効性を確認した。開発された手法は現在のところその適用対象がボクセルメッシュに限定されてはいるが、既存のシミュレーションプログラムへの導入が非常に容易であるという長所も有する。さらに、本前処理手法で現れる行列が代数マルチグリッド法の応用に適した性質を持つことを明らかにし、実用規模の数値解析によって代数マルチグリッド法を使用した効率的な求解が可能になることを確かめた。現在標準的とされる不完全コレスキー分解前処理を用いた解法と比較して、二千万自由度以上の解析において最大で10倍以上の求解性能の向上が得られた。また、交付申請書においては平成24年度以降に行う予定としていたが、静磁界計算以外の解析への提案手法の応用についても検討を進めた。電磁界のベクトル3成分に加えてスカラポテンシャル1成分を適切に扱うことによって、準定常磁界計算および高周波電磁界計算への提案手法の拡張を行った。簡単なモデルについて行った特異値解析により、本手法の有効性が支持された。7百万自由度以上の規模の高周波解析について行った求解性能の検証では、標準的解法と比較しての求解性能の向上は3倍以上であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本課題の主要なテーマである、辺要素に基づく有限要素法のための代数マルチグリッド法の提案および開発は、静磁界計算について予定通りに遂行された。さらに、平成24年度以降に着手する予定であった、準定常磁界計算・高周波計算への提案手法の拡張に着手し、高周波計算については既に七百万自由度以上の規模の解析でその有効性を確認できている。

今後の研究の推進方策

今年度開発を行った前処理手法について、準定常磁界解析への拡張について検討を進める。また、本手法については数学的な基盤の整備がまだ不十分であるので,理論的検討についても行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の研究費があるのは、主に、コンパイラなどのプログラム開発環境や使用する計算機の更新を、本年度から次年度にシフトしたためである。次年度以降、これらの更新を遂行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] A法による辺要素磁界解析への代数マルチグリッド法の応用に関する一検討

    • 著者名/発表者名
      美舩健,難波亮介,岩下武史,松尾哲司
    • 学会等名
      電気学会静止器回転機合同研究会研究会資料
    • 発表場所
      新潟大
    • 年月日
      2011年8月25日
  • [学会発表] A Use of Classical Algebraic Multigrid Method in Finite Edge-Element Analysis

    • 著者名/発表者名
      R. Namba, T. Mifune, T. Iwashita, T. Matsuo
    • 学会等名
      The 20th MAGDA Conference in Pacific Asia (MAGDA2011) Conference Proceedings
    • 発表場所
      Kaohsiung(台湾)
    • 年月日
      2011年11月15日

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公開日: 2013-07-10  

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