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2012 年度 実施状況報告書

風車内部や近傍に設置された電力・通信・制御機器の雷害対策

研究課題

研究課題/領域番号 23760274
研究機関中部大学

研究代表者

山本 和男  中部大学, 工学部, 准教授 (50332052)

キーワード風力発電システム / 雷対策 / 数値電磁界解析 / 可搬式インパルスジェネレータ
研究概要

北陸地方から東北地方にかけての冬季の雷は,世界的にも規模が大きいことで有名である。実際に,平均的な夏季の雷に比べて数十倍から数百倍の規模の雷が,同一の風力発電システムに1年間に数回落雷したことが観測されている。規模の大きな冬季の雷が風力発電システムに落ちた場合,まず壊れてもっとも金銭的被害が大きい部分は,修理費用に数千万円が必要となるブレード(羽)である。そのため,ブレードの被害を最小限に抑えるための研究はいくつか行われてきた。しかし,電力変換器等の電力機器や発電機を制御するための制御機器等の被害も無視できない。例えば,電力変換機器などが壊れた場合,数百万円の修理費用が必要となる場合もある。このような被害が多数起きている風力発電システムが多いにもかかわらず,電力・通信・制御機器の設置位置・方法の多様性から,雷被害の発生様相は未だ明らかとなっていない。特に,風力発電システムを運営する団体はその他の発電設備(原子力や火力など)を運営する電力会社と異なり,自治体や小規模な運営・管理団体(会社)によるものが多い。そのため検討・対策へ費やすことのできる人材や費用が不足しており,対策方法は未だ確立されていない。
平成23年度には,実験現場で必要となる可搬式のインパルスジェネレータを製作した。安全性を重視したものを製作したかったため,設計を私自身が行い,製作を高電圧関係を専門とする企業に依頼した。また,この種の雷対策の解析を行う数値電磁界解析プログラムを用いて複数の解析モデルを完成させた。
平成24年度はすでに実験が了承されていた単機の風力発電システムで実験を行い,数値電磁界解析を用いてその過電圧発生様相を解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成23年度に可搬式のインパルスジェネレータを製作,次年度以降の準備として,実機風力発電システムの数値電磁界解析の準備を行った。そして,平成24年度はすでに実験が了承されていた単機の風力発電システムで実験を行い,数値電磁界解析を用いてその過電圧発生様相を解明することができた。平成25年度では,すでに実験が了承されている連接接地された2基の風力発電システムを用い,実験を行い,数値電磁界解析を用いてその過電圧発生様相を解明する。それらの結果から,単機の場合のみならずウィンドファームなど複数基が設置される場合も含めて,建設が予定されている風力発電設備の設備設計に上記結果を応用する予定である。
3カ年で上記の様なスケジュールを予定しているが,平成24年度に達成すべき内容はすべて完了し,2基が連接された風力発電設備の接地システムの情報(図面など)も手に入れることができた。そのため,解析の準備を進めることができ,実験の前にある程度現地の接地特性を予測することができた。また,実験日の調整ももう既に終了しており,5月と6月で実施日と予備日を確保することができた。

今後の研究の推進方策

平成23年度,24年度は予定以上のスケジュールで研究を進めることができた。よって,今後は当初の予定通り研究を進めることができそうである。
平成25年度では,すでに実験が了承されているその他の風力発電システム2基(初回の実験場所とは大地の抵抗率が大きく異なる設備)を用い,実験を行い,数値電磁界解析を用いてその過電圧発生様相を解明する。それらの結果から,その後建設が予定されている風力発電設備の設備設計に上記結果を応用する予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初の予定より予算が減額されているため,実験等消耗品:100000円,調査研究旅費:300000円,研究補助:100000円,その他:100000円での研究費の使用を計画している。実験等消耗品は,実験に必要な電線や各種抵抗器等の消耗品や計算量の増加にともない増設する計算用PCのことである。調査研究旅費は主に,実験場までの往復の旅費,研究成果の発表に関する旅費のことである。研究補助は主に実験・解析補助を目的とした研究補助で,その他の項目は学会誌投稿料のことである。

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公開日: 2014-07-24  

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