本研究では、有機薄膜太陽電池の中でも特に電極界面に焦点を絞り 1) 紫外光電子分光を利用した有機薄膜太陽電池電極緩衝層の電子物性 2) 電極界面での界面電荷移動速度 について量子ビーム計測を行った。その結果、金属から分子に効果的な電子ドープが行われた系において、オーム性接触が実現するとともに、10 fs未満の高速な電荷移動が起こることが明らかになった。また、この電子ドープの状態は、複数の有機層のエネルギー準位接続に影響を与えることが判明した。以上の結果より、有機/金属界面のドープ状態の制御が、最適な光電変換層や緩衝層の選択に不可欠であり、太陽電池の高効率化の鍵となることが明らかになった。
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