本研究は、超短波パルス光を用いた時空間分光計測を用いて、ZnO系単一量子井戸内の励起子と、金属ナノ構造近傍に共鳴誘起される局在プラズモンとの動的共鳴現象を解明した。量子井戸内の励起子発光の時間分解分光から、量子井戸と金属間のエネルギー移動が観測された。この現象は、量子井戸内の電子・正孔対の再結合過程が、金属ナノ粒子の存在に強く影響されることを示唆する。半導体層(量子井戸)と金属層間のエネルギー共鳴に必要な時定数は、1.2ns-1である。半導体(励起子)と金属(プラズモン)の光相互作用が可能な空間距離は、40nm程度である。
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