二元系遷移酸化物を用いた抵抗変化型メモリ(ReRAM)は次世代不揮発性メモリとして期待されているが、酸化物の基礎物性と抵抗スイッチング特性は必ずしも明らかになっていない。本研究では、酸化物の酸素組成に着目し、主に抵抗スイッチング特性との相関に関して調べた。Pt/NiO/Pt積層構造のフォーミング過程において、NiO薄膜中の導電性フィラメント形成が最弱リンクモデルに従うこと、NiO薄膜中の酸素組成の増加に伴い、NiO薄膜の圧縮応力とともにフォーミング電圧が増大する傾向が確認できた。また、NiO薄膜の膜厚依存から、フォーミングに関わる極薄膜層の存在が示唆された。
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