研究概要 |
Fe-Ga急冷薄帯に関して,添加物の利用による結晶粒の微細化を検討したが,Fe-Ga相以外の化合物が析出しやすい傾向が得られ,特性改善は困難であった.そこで,研究計画に掲げた電析手法の確立の方へ研究の主眼を移した。Fe-Gaに関するめっき膜は,Gaを水溶液から析出させることが困難であることから,これまでほとんど報告はなかった.これに対し,近年の環境意識の高まりに配慮し,排水規制物質を用いないめっき浴を採用し,所望する組成を有する比較的厚いFe-Ga膜を作製することできた.めっき浴への添加物を検討し,結晶粒を微細化することが課題となった.Fe-Ga のミクロ構造と磁気特性の関係を明らかにすべく,保磁力の結晶粒径依存性に関して計算機解析を行った.その結果,結晶粒径を小さくすると,Thefenol-Dが20 nm付近の結晶粒径で急激に保磁力が減少するのに対し,Fe-Gaでは100 nm付近から滑らかに保磁力が減少することがわかった.
|