研究課題
本年度は、前年度に構築した理論解析環境を用いてグラフェン中プラズモンの物性を明らかにするとともに、理論解析環境をさらに発展させた。具体的には、以下の研究を実施した。1.格子ゲート構造におけるプラズモン不安定性の解明に向け、シミュレータを拡張させた。現在、結果の解析を進めている。2.実際のグラフェンデバイス作製に広く用いられているシリコン高濃度ドープ基板上で、グラフェン中プラズモンの周波数分散および減衰レートの基板中表面プラズモンとの結合による影響を解析した。基板中表面プラズモンの共鳴周波数とグラフェン中プラズモンの周波数が近いとき、減衰レートが共鳴的に増大するものの、10の20乗平方cm程度と十分高く、かつ基板-グラフェン間、ゲート-グラフェン間の絶縁材料の誘電率および膜厚を適切に選定することにより、減衰レートの増大を著しく抑制できることを見い出した。3.キャリア間散乱の数値モデルを構築し、キャリア間散乱積分評価コードの妥当性テスト・高速化を行なうとともに、前年度に構築したボルツマンシミュレータへの組み込みを行なった。これにより、プラズモンを用いたTHz波デバイスにおけるキャリア非平衡分布やキャリア間散乱による非線形性の影響を解析することが可能になる。4.グラフェン中プラズモンの光子誘導放出を介した巨大増幅実現を目的とし、(1)グラフェンp-i-n構造における両側電流注入による定常的反転分布形成、(2)p-n周期構造におけるドリフト拡散による過渡的反転分布形成、(3)GaAs基板を光吸収層としグラフェンへ光生成キャリア拡散注入する構造における反転分布形成の時間応答、の解析を行なった。これにより、グラフェン中プラズモンを反転分布形成によって増幅し、THz波発振デバイスに応用するための知見を得た。
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すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 17件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件)
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