研究課題/領域番号 |
23760306
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 芳晃 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30323877)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | CIP-BS法 |
研究概要 |
時間領域におけるマルチスケール電磁界解析のためのCIP-BS法確立のため、今年度はCIP-BS法の基本的スキームを確認し、また吸収境界条件として完全整合層(PML)を開発した。さらに、不均質媒質中の伝搬を実装した。 これまで、基本原理が開発されたCIP-BS法であるが、本年度は空洞共振器内でのTE202モード励振を行い、その精度について従来手法であるFDTD法との比較検討を行った。CIP-BS法は精度が時間ステップに依存することが分かり、小さな時間ステップでは精度においてFDTD法を上回ることが分かった。また、位相誤差については、粗いグリッドでも十分早く収束し、少ない計算量で高精度な解析が可能であることが分かった。 完全整合層(PML)については、複素座標変換を用いたPMLを実装し、反射性能の入射角依存性について調査した。まず、PMLは正常に動作しており、旧来の一方向伝搬型の吸収境界条件に比べて、20dB以上の性能向上が得られた。また、入射角依存性では、いずれの角度でも良い九州特性を有していることが分かった。 不均質媒質中の伝搬として、半空間を誘電体が占めている空間の計算を行った。誘電率を上げてゆくと波長短縮によって精度が悪化することが予想されるが、旧来のFDTD法に比べてその劣化は極めて少なく、高精度な解析がなされていることが分かった。また、グリッドの粗さだけの問題でなく、反射波が観測される真空中においてもCIP-BS法の方が高精度であり、今後の電磁界解析において極めて有効な解析手法となることが示せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不均一誘電体の考慮は終えている。サブグリッド法・サブセル法については、基本的スキームが出来上がっており、あとはコード化を残すのみである。これらによって、通常の電磁界解析で必要とされるツールはほぼ出来上がっており、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
基本的なスキームが出来上がっているサブセル法をまず取り組む。また、誤差や適用限界を理論的に評価するための安定性解析と分散解析も行い、従来手法と比較検討する。次に、これらを用いて完全導体からなる散乱体からの散乱などの大規模問題に取り組む。 大規模問題が解けた場合には、さらに汎用性を上げるため、特異な媒質(分散性や非線形など)の解析に取り組んでゆく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
使用予定であったGPUを用いた計算機であるが、組み立てた際の機能検証をしていたため、平成23年度には開発しなかった。平成24年度にこれを開発する。これによって、平成24年度の研究内容である大規模問題を解くことを予定している。
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