現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究目標である394GHz近傍にて周波数可変幅2GHz,最大出力100W以上の周波数連続可変ジャイロトロンの開発に向けて,現在までに100 Wを得ることが出来た.しかし,周波数連続可変幅は1.1GHzと目標値よりもまだ狭い.現行のTE0,6モードの場合,強磁場側に隣接するTE7,4モードの励起によって周波数可変幅は1.6GHz程度で上限となってしまう.その為,現行のTE0,6モードによる更なる周波数連続可変幅の向上は難しく,別の発振モードの選定を行う必要がある.そこで,新たにTE7,3モードを選択する.TE7,3モードの強磁場側隣接モードはTE15,1モードであるが,0.5 Tと十分に離れており周波数連続可変幅を約2GHzに向上させることが可能と期待される.また,ピッチファクターが約2.0にてピッチファクターの分散が10%以下の高性能電子銃が不可欠である.現有の電子銃では,電子銃周りに設置してビーム半径を制御する既存の補助磁場コイルの制限により,TE7,3モードを励起するために必要なビーム半径0.91mmを得ることが出来ない.ピッチファクターの分散も50%以上と非常に大きくなるため不適合である.その為,ジャイロトロンの高性能化のためには電子銃の新規設計を現在行っている.
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