次世代移動無線通信では1ギガビット/秒を超えるピークデータレートを有する超高速アクセスが必要とされている。しかし、利用可能な無線帯域幅は限られているから、同じチャネルを異なる無線セルで再利用することで面的周波数利用効率を向上させている.サービスエリア全体をカバーするために必要な異なるチャネルの個数を周波数繰り返し指数(FRF)と呼ぶ.FRFを大きくするにつれ同一チャネル干渉を低減できるが,1チャネル当たりの帯域幅が狭くなり面的周波数利用効率が減少する。限られた帯域幅で1ギガビット/秒を超えるピークデータレートの通信を実現するためには干渉を徹底的に抑圧する新しい無線技術の研究開発が不可欠となっている。本研究の目的は、次世代広帯域移動無線通信システムの実現に向けた無線技術を提案することにある。 2012年度は、私たちが周波数領域適応アンテナアレーの研究を続けた。去年に提案したシングルキャリア周波領域アダプティブアレイアンテナアレイ(SC-FDAAA)に基づいて、マルチユーザーシングルキャリア伝送システムにおける帯域効率の分析を行った。SC-FDAAAトランシーバの信号対干渉プラス雑音比を導出し、閉形式としての結果ができた.そして、帯域効率を最大化するためシングルキャリア適応トランシーバを提案した。提案された適応トランシーバーの有効性を計算機シミュレーションにより検証されており、帯域効率が一定の条件に限り130%に向上させることができた。
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