研究課題/領域番号 |
23760323
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 健仁 茨城大学, 工学部, 助教 (60550506)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 導波管スロットアンテナ / リッジ導波管 / ミリ波 / 偏波共用アンテナ |
研究概要 |
リッジ導波管スロットアンテナは導波管内部に設けたリッジの効果で広帯域化を実現できる。また、エッジスロット導波管アンテナと組み合わせ、偏波共用アンテナを構成することも可能である。本研究の目的はスペクトル領域法解析(S2DS Method)を用いた、多素子を有するリッジ導波管スロットアレーアンテナの解析・設計である。汎用の電磁界シミュレータ等では素子数が増えるにつれ、解析は可能でも、繰り返し補正の伴う精密設計が困難となるためである。特に本年度は、スペクトル領域のグリーン関数を用いてリッジ導波管の固有値解析を行い、各モードの遮断周波数を求めるFortranコードを構築した。構造は管軸(z軸)に対して、一様構造である。解析モデルを等価定理で規範領域に分割し、リッジ導波管内部の開口面に磁流を仮定する。スペクトル領域のグリーン関数を用いて積分方程式を立て、行列式が0となる波数kzより、遮断周波数を導出できる。25.3 GHzで、導波管幅12.0 mm、高さ12.0 mm、リッジの高さ8.0 mm、幅1.0 mmのリッジ導波管について、7個目までのモードの遮断周波数を解析した。有限要素法による結果と比較した結果、最大で0.029GHzの誤差はあるが、よく一致していることを確認した。基本モードの遮断周波数は入力モードとスロットのアドミタンスの導出に用いられる。本内容は、電子情報通信学会ソサエティー大会で発表し、その後の進捗と合わせ来年度アメリカで開催される国際会議2012 IEEE AP-S/USNC-URSIにて発表を行う。今後は、スペルトル領域法により導波管内部のスロット間相互アドミタンス、入力する基本モードとスロットのアドミタンスを導出し、リッジ導波管スロットアンテナの特性計算を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リッジ導波管スロットアンテナは導波管内部に設けたリッジの効果で広帯域化を実現できる。また、エッジスロット導波管アンテナと組み合わせ、偏波共用アンテナを構成することも可能である。研究代表者はスペクトル領域法解析(S2DS Method)を用いて、多素子を有するリッジ導波管スロットアレーアンテナの解析・設計を進めている。汎用の電磁界シミュレータ等では素子数が増えるにつれ、解析は可能でも、繰り返し補正の伴う精密設計が困難となるためである。一方、スペクトル領域法解析では2次元解析に置き換わるため、高速かつ精密な解析、設計が可能である。 現在までに、スペクトル領域のグリーン関数を用いてリッジ導波管の固有値解析を行い、各モードの遮断周波数を求めた。25.3 GHzで、導波管幅12.0 mm、高さ12.0 mm、リッジの高さ8.0 mm、幅1.0 mmのリッジ導波管について、7個目まで遮断周波数を求めた。有限要素法電磁界シミュレータANSYS社HFSS ver.13による解析結果と比較すると、最大で0.029GHzの誤差はあるが、よく一致していることを確認した。2011年9月のIEICEソサエティ大会にて発表し、2012年7月には2012 IEEE AP-S/USNC-URSIにて発表する。 さらに現在、スペルトル領域法により入力する基本モードとスロットのアドミタンス、導波管内部のスロット間相互アドミタンスの導出を進めている。これらのアドミタンスの導出によりリッジ導波管スロットアンテナの特性計算が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
モードの遮断周波数の解析方法は以下の通りである。解析モデルは管軸に対して、一様構造である。等価定理で規範領域に分割する。それぞれリッジ導波管内部の開口面に等価磁流を置く。スペクトル領域のグリーン関数を用いて積分方程式を立て、行列式が0となる波数より、遮断周波数を導出できる。この基本モードの遮断周波数より入力モードとスロットのアドミタンスを導出する。さらに、導波管内部のスロット間相互アドミタンスも導出する。 構築したFortranコードを用いて、まずはスロット単体モデルで解析を行い、有限要素法電磁界シミュレータANSYS社HFSSの解析結果と比較する。さらにアレーモデルでの解析を行う。Fortran解析コードの有効性を確認した後に、Fortran解析コードを用いてアレー設計を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
基金化の制度により、今年度分の一部で昨年度ワークステーションを購入した。構築したスペクトル領域法による解析の有効性確認のために、有限要素法電磁界シミュレータANSYS社HFSSを用いるために使用する必要がある。また、国際会議(2012 IEEE AP-S/USNC-URSI)での発表のための出張旅費などとして使用する予定である。
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