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本研究は，多視点ビデオ(MVV: Multi-View Video)・音声IP伝送におけるユーザ体感品質（QoE: Quality of Experience）に影響を及ぼす要因を明らかにし，QoEを最大化するために必要となる制御を，ネットワーク伝送の観点から検討するものである．
平成25年度は，平成24年度に準備したマルチキャスト環境でのMVV・音声伝送実験環境において，複数視点のビデオを同時に配信する方式，ユーザが選択した1視点のみを伝送する方式を比較し，それぞれの有効適用領域を調査した．また，ある使用帯域が与えられたときに，どのような配信方式を用いるのが適切か，ユーザへの視点の提示方式や視点切替ユーザインタフェースの影響を含めた評価を行った．さらに，現在ストリーミングメディア伝送の主流となっているHTTPダイナミックストリーミング環境への適用を見据え，単視点ビデオを対象に基本的な性質の評価を行った．
平成25年度は「ネットワークにおける制御」の一つとして，マルチキャスト通信をとりあげた．これにより，平成23年度，平成24年度に検討してきた「受信側における制御」，「送信側における制御」をあわせ，当初計画していた制御を一通り網羅することができたといえる．
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