研究課題/領域番号 |
23760336
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩見 英久 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00324822)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 広帯域無線 / 高分解能計測 / 光通信 / 高速変復調 / PLL発振器 |
研究概要 |
本研究の目的は、16 系統帯域干渉合成系による 1Gbps 級伝送実験により、100 Gbps 超級の光電波融合集積型帯域干渉合成に繋がる基板技術を確立することである。平成 23 年度の計画は、各モジュール要素の広帯域化と実時間化を図るとともに、広帯域干渉合成検波系についても開発し、1Gbps 級伝送試験のための補助装置も合わせて開発することであった。当該年度の成果として、次の項目が挙げられる。AD/DA 変換モジュールのための FPGA 内部回路の検討、アナログ変調モジュールのパターン設計を含めた詳細検討、伝送試験補助用ソフトウェアの開発である。AD/DA 変換モジュールとして、SSB アップコンバータ、低域通過フィルタ、DA 変換制御、変復調歪みの補正、ヒルベルト変換などを開発した。さらに、アナログ変調モジュールの IC 選定およびパターン設計を行った。伝送試験の補助用ソフトウェアとして、伝送信号の生成、伝送誤りの表示等を行うソフトウェアを開発した。AD/DA 変換モジュールを実装するために、FPGA 内部回路の先行実装は不可欠な要素であり、また、モジュールの具体的な実装に関してアナログ部のパターン設計、状況の変化に合わせた IC の再選定、伝送試験を効率よく進めるためのソフトウェアの開発等、本年度は研究を遂行する上での要素技術を確立することに成功したと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成 23 年度の計画として、要素技術を確立することが挙げられた。実績として FPGA 回路の設計、アナログモジュールのパターン設計、伝送実験補助ソフトウェアの開発が挙げられ、それぞれ要素技術の確立に貢献したため、おおむね順調に進展していると評価した。計画に挙げた低速伝送実験については未実施であるが、周辺状況の変化により、より高速の 5GHz ~ 10GHz 帯、2GHz ~ 8GHz 帯域幅の帯域合成および伝送実験の可能性が広がったため、より高速な伝送実験についての準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
平成 24 年度は最終年度であるため、平成 23 年度に導入した基板製造装置を用いて帯域干渉合成系のモジュール実装を推進する。また、超高速無線 LAN 規格である 802.11ad を想定した伝送実験についての実施へ向けた検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、モジュール実装に必要な電子部品の調達と、研究成果発表のために研究費を使用する。電子部品に 60 万円程度、研究成果発表に 20 万円程度の使用を計画している。
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