研究課題/領域番号 |
23760339
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宇戸 寿幸 愛媛大学, 理工学研究科, 講師 (90380261)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 映像処理 / ビットプレーン / 符号化アルゴリズム / 電子透かし / 三次元画像処理 |
研究概要 |
画像伝送における基盤技術である符号化の圧縮性能向上・実現コスト削減を目的として、ビットプレーン特性に着目した画像処理技術について研究し、その応用技術を開発した。本研究の大局的な目標は、優れた圧縮性能・演算実現性能を併せ持つ映像処理技術を研究開発することによって,フルハイビジョンを超える超高精細映像から厳しい要求条件のモバイルアプリケーションまでの幅広い用途に活用できる要素技術を確立することである。 本年度の主な成果は次の通りである。1. 画像高能率符号化法の研究開発:プログレッシブ画像伝送方式の一手法であるクワッドツリー分割に基づく符号化法を研究し、ビットプレーンに対する分割予測を導入することにより圧縮性能を改善できることを明らかにした。その研究内容をまとめた論文を学会において発表した。2. 3D電子透かし法の研究開発:三次元メッシュモデルを対象とした電子透かしを研究し、符号化技術を応用することにより画質および検出性能の点で従来法を上回ることを可能であることを明らかにした。その研究内容をまとめた論文を投稿し、採録が決定した。 上記の2つの成果に加えて、符号化技術の基礎となる直交周期複素数系列セットの生成法についても研究し、その生成法において重要な役割を果たす予想の証明を与えた。この成果によって、任意周期の系列セットが生成可能であることを理論的に明らかにした。その研究成果をまとめた論文を論文誌にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の具体的な目標は、以下の3項目を明らかにすることである(i)変換画像におけるビットプレーンの統計的性質(ii)圧縮性能が優れたビットプレーン符号化手法(iii)ビットプレーン符号化による量子化雑音を低減する復号化手法本年度は、主として項目(i)および項目(ii)の研究開発に取り組んだ。 まず、項目(i)に関して、画像に周波数変換を施し得られる変換画像のビットプレーン間相関を、様々なテスト画像を対象として算出した。その結果として、異なる解像度レベルにおいて位置関係が近いビットプレーン間に強い相関があることを解明した。次に、この統計的性質を踏まえ、項目(ii)に関して、予測処理を組み入れた符号化アルゴリズムを開発した。そして、複数のテスト画像を符号化した結果、圧縮性能を向上できることを実証した。以上より、3項目中の2項目については研究開発を推進し、その成果が出ている。そのため、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
前項で記載した研究目標3項目のうち、項目(i)および項目(ii)の研究開発は既に進めているが、これまでに明らかにしている点以外にも考えられる性質や手法があるため、継続して研究を推進する。一方、項目(iii)に関しては、これまで余り着手していないので、今後集中的に研究に取り組む。 具体的な計画として、項目(i)の研究で得られたビットプレーンの統計的性質を踏まえて、復号化側で量子化誤差を予測し低減する復号化方式を考案することにより項目(iii)の研究を遂行する。特に、異なる解像度レベルにおける位置関係に着目し、受信ビットプレーン以降を補間することにより再構成画像の画質向上を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究を実施するために必要となる主な実験機器は,コンピュータおよびソフトウェアである.特に、画像データを処理対象とすることから、高性能なコンピュータおよび行列演算を得意とするソフトウェアMATLABに研究費を主に使用する。 また、本年度得た研究成果を国内外で発表するための論文掲載費や旅費にも研究費を使用する。
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