このプロジェクトにおいて、我々はマルチレベル位相変調(M-PSK)やマルチレベルQAM(M-QAM)変調といったような種々のマルチレベル変調フォーマットを合成した特殊構造を有するIQ変調器を提案した。(株)住友大阪セメント様のご協力により、上述した特殊構造を有するIQ変調器の作製に成功した。下記に成果を示す。 1)アンバランス型IQ変調器を用いたレクタンギュラ―QPSK方式を初めて提案した。一般的なQPSK方式を備えたレクタンギュラ―QPSK方式を接続することにより、光8PSK変調の合成に初めて成功した。その技術を実験的に検証した。 2)また同様にIQ変調器をベースとしたオービタリーQAM方式の提案を行った。このIQ変調器はコンプリメンタリバイナリ―のペアにより動作する。またバイナリ―PSKもしくはQAM信号は入力信号のバランス状態により生成される。一般のQPSK変調とのカスケード接続後、8PSKもしくは8QAM信号が合成された。提案した送信機は、異なったフォーマット生成が行えるフレキシブル8アレー送信機としても動作する。上述した内容について実験的検証に成功した。 3)さらなる送信技術として、我々はIQ変調器を2カスケード接続したフレキシブル高次QAM送信機を提案した。2カスケードのうちの1つは、オフセットQAMを発生するためのマルチレベルドライビング回路により動作し、他は一般のQPSK送信機から成る。これにより高次QAM信号を発生可能となる。これらの技術により、我々は16QAM、32QAM、64QAMといった高次QAM信号生成に実験的に成功した。 我々は国際会議ペーパーで審査された10つの論文を発表した。これにはOFCやCLEOなど一流の会議が含まれる。うち2つの論文は一流の国際雑誌で発表された。
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