研究課題/領域番号 |
23760371
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松波 勲 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70583219)
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キーワード | 計測工学 |
研究概要 |
本研究は、安心安全な車社会の実現に寄与する実環境及びハードウェア特性を考慮したレーダシステムモデルを開発することである。平成23年度は複数目標物検知・識別技術を開発し、実証実験においてその有効性を確認した。尚、平成23年度において、平成24年度の研究計画であった、(1)クラッタのモデル化、(2)RCSのモデル化は終了している。 そこで平成24年度は、当初の研究計画である(3)伝送路モデルの構築、(4)伝送路モデルのシミュレーション及び実証実験評価を実施し、学術論文2件、国際会議論文1件、国内会議論文7件の成果を残した。 伝送路モデルの構築:特に事故の多い交差点環境を想定し、交差点進入車両の直進、右左折モデルを作成し、平成23年度で実施した追尾技術を応用した状態推定技術を開発した。また、交差点に進入してくる見通し外車両のモデルも作成した。 伝送路モデルのシミュレーション及び実証実験評価:作成した交差点環境モデルを実環境で再現し、開発した状態推定技術の有効性を実証実験により確認した。その結果、対象車両が直進、右左折の状態を開始してから500msec以内で各状態を推定することができた。尚、対象車両の検出は平成23年度で開発した複数目標物検知・識別技術を用いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度において、平成24年度の研究計画であった、(1)クラッタのモデル化、(2)RCSのモデル化は終了している。そこで平成24年度は、当初の研究計画である(3)伝送路モデルの構築、(4)伝送路モデルのシミュレーション及び実証実験評価を実施し、学術論文2件、国際会議論文1件、国内会議論文7件の成果を残した。 まず平成23年度に作成した交差点環境の簡易モデルをより実環境に近いモデルに再構築した。これは平成24年度の実施計画にはないが、平成23年度に平成24年度の研究を前倒しして実施できたため、新たに追加した項目である。次に、平成23年度に新たに追加した研究課題である追尾技術を、交差点環境下における走行車両の状態推定に適用することで交差点環境においてレーダシミュレーションモデルを完成させた。尚、実証実験によりその有効性を検証している。従って、平成24年度は当初の計画以上に進展しており、さらに新たに研究課題を作成し実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りである。 まず平成24年度で開発したアルゴリズムと実測データとの比較検討及び必要に応じた再構築と最適化を行い、シミュレーション環境における目標物検知・識別アルゴリズムの総合的評価する。次に伝送路モデル、レーダ受信信号推定技術、各種信号処理技術を用いてレーダシステムモデルを構築し、実測データとの比較検討及び再構築と最適化を行う。最後に開発するレーダシステムモデルの総合的評価を行い、報告書の作成及び成果の発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
報告書の作成及び、成果を国際会議と学術論文にて発表するための学術論文投稿費用及び旅費に充当する。
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