研究課題/領域番号 |
23760378
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
福田 盛介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50332151)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | リモートセンシング / バイスタティックレーダ / GNSS-R / 偏波 / GPS |
研究概要 |
本研究は、レーダリモートセンシングの分野における二つの大きな技術トレンドである、偏波情報を徹底的に活用するポーラリメトリ観測と、送受信のアンテナを分離して多様な入反射角のジオメトリを実現するバイスタティック観測を融合し、ターゲットの物理量推定に関する革新的手法を導出することを目指すものである。これに対し、バイスタティックなコンフィギュレーションを容易に実現できる好適な課題として、GNSS衛星の送出電波を用いるGNSS reflectrometryに、偏波観測のコンセプトを導入する新たな着想の研究を実施した。主として土壌を対象に検討や実験を行ったが、GNSS reflectrometryによる土壌測定の分野においては、現状、裸土(bare soil)を対象とした研究が大半であるところ、より実環境の表面形態に近い植生のある土壌(vegetated soil)をターゲットにして進めた。具体的には、今年度は、GPS衛星からの直接波と土壌からの反射波が干渉して増減する受信電力が、衛星仰角に対して振動するパターンから、土壌水分量を抽出する方策を検討した。その際、受信に用いる偏波アンテナを適切に選択することにより、水分と植生の影響を分離し得る総合的な手法を開発した。垂直直線偏波アンテナを用いて測定した土壌反射のブリュースタ角から土壌水分量を推定し、また右旋偏波の直接波が植生でデポラリゼーションする効果を、右旋偏波アンテナにより干渉パターンの高周波振動として捉える、というアイデアに基づいたものであり、シミュレーションと実験で効果を確認した。さらに、反射波の偏波状態の直接測定による手法への展開をねらい、ストークスパラメータを推定するべく、直線偏波(水平/垂直/45度/135度)、円偏波(右旋/左旋)をほぼ同時に出力可能なGPS L1帯のショートバックファイア(SBF)型アンテナを製作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたパイロット実験やアンテナシステムの製作を実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に製作した多偏波出力SBFアンテナを用いた計測実験を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
面的測定が可能なシステムの構築、ラフネス等の面特性の計測装置等の購入を計画している。
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