研究課題/領域番号 |
23760391
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中村 奈美 東京理科大学, 理工学部, 研究員 (30452527)
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キーワード | 位相空間 / 非線形システム / 安定性解析 |
研究概要 |
1.車両型移動ロボットの障害物回避問題に対する入力状態安定化制御 車両型移動ロボットの障害物回避問題に対して,ISS制御Lyapunov関数および入力状態安定化を保証する静的状態フィードバック制御則を設計した.さらにコンピュータシミュレーションによって提案した制御則の有効性を示した.外乱入力がない場合,状態は障害物を避けながら目標値に収束することが確認できた.また,外乱入力がある場合でも,入力状態安定性のおかげで,障害物にぶつかることなく目標値に近づいていくことが確認できた.このように入力状態安定性は外乱のもとでも状態が状態空間から飛び出さないことを保証するので,障害物にぶつかる恐れがなく,実装面でも有用と考えられる. 2.測度と積分に関する調査 集合上の測度と積分,Lebesgue測度と積分およびRadon測度と積分に関して調査を行った.多様体上では,座標近傍系とそれに従属する一の分割を固定し,一の分割によって重み付けされた関数のLebesgue積分の和を考えることによって,測度と積分が定義できることを確認した. 3.適応局所同次安定化制御則の設計と実装 入力アファインシステムに対して,従来の局所同次安定化制御則と適応制御則を組み合わせて,適応局所同次安定化制御則を設計した.さらに提案した制御則を磁気浮上システムに適用し,有効性を示した.モデル化誤差がある場合も,状態が目標値に収束することが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.車両型移動ロボットの障害物回避問題に対して入力状態安定化制御則を提案し,シミュレーションによって有効性を確認したが,また実機に実装していない. 2.多様体上で積分するためには,一の分割を定めてLebesgue積分する必要があり,あまり実用的ではなかった.
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今後の研究の推進方策 |
1.車両型移動ロボットに対する入力状態安定化制御則の実装 二輪車両型移動ロボットに入力状態安定化制御則を実装し,実験する. 2.多様体上の非線形システムに対する一般的な入力状態安定化制御則の設計 なめらかな多様体上の非線形システムに対して,一般的な入力状態安定化制御則を設計する.
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度に研究費の一部を繰り越した影響で,今年度も繰り越し分が生じた. 1.9th IFAC Symposium on Nonlinear Control Systems,第14回制御部門大会,MiCANSなどに参加する. 2.書籍や文献を購入する. 3.実験用パソコンを購入する.
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