研究課題/領域番号 |
23760397
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 健一 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (70553600)
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キーワード | 状態依存むだ時間系 / 自己位置制御系 / 制御理論 / オブザーバ / 状態推定 |
研究概要 |
本研究では,入出力間にある種のタイムラグを有する状態依存むだ時間系と呼ばれるある種の物理系に焦点を当て,その系の解析・制御に関する手法を構築することを目的としている.具体的には,系の安定性を評価する判別法や系の制御法,状態推定法等を制御理論の枠組みで構築することが目的である. これまでに,状態依存むだ時間系の一つである伝播信号の跳ね返りを利用して自己の位置制御を行う一種の自己位置制御系を対象にとり,それを離散時間の非線形状態方程式として近似モデル化することで,その精密な状態推定が行えることをシミュレーションによって確認した.この系においては,伝播信号の速度および跳ね返りに要する時間をもとに自己の位置検出を行うため,その位置や速度に関する状態推定が正確に行えないといった問題があった.しかし,過去の情報を記録・利用して現在の状態を推定するオブザーバの一設計法により,その推定がより正確に行えることを示した.今年度においては,これまでの成果を学術雑誌の論文としてまとめるべく,関連する文献の調査や自己位置制御系の状態推定についての調査を改めて行うとともに,論文投稿へ向けての準備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した研究目的のうち,平成25年度における研究実施計画は「状態依存むだ時間系に対するレギュレータ,オブザーバなどの一制御系設計法について考察し,その有効性を数値例によって実証する.また,得られた研究成果は国内外の学会において発表し,一連の結果をまとめて学会誌へ投稿する.」というものであった.結果としては,計画の一つである状態依存むだ時間系の現在の状態を把握するためのオブザーバの一設計法をある種の自己位置制御系を題材に示すことが出来た.しかし,学会発表は行ったものの,一連の結果はまだ学会誌へ投稿出来ていないため,達成度区分を(3)とした.
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今後の研究の推進方策 |
現在,一連の結果を学術雑誌にまとめるため準備中ではあるが,従来手法等との比較がまだ出来ていないこともあり,これまでの成果を論文としてまとめられるよう鋭意努力したい.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初,最終年度である平成25年度内に,これまでの研究成果を学術雑誌へまとめる予定であったが,雑務等により論文投稿を行うに至らず,この分の金額が余ったため. 論文投稿費として使用する.
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