研究課題
本研究は、道路交通分野における諸問題のうち、積雪寒冷地のロードヒーティング問題とITS社会の発展に伴い指摘され始めた電磁波公害への対応が可能な舗装構造を新たに開発・提案することを目的に実施した。今回新たに開発した【ナノカーボン+合成樹脂コンポジット材料】は、メタンガスから水素を生成する際に副次産物として得られるナノサイズの炭素カーボンナノチューブのうち品質は劣るが量産が可能なレベルのもの)と、合成樹脂を主原料とする、低コスト・エコロジー材料である。基本コンセプトは、合成樹脂の特徴である耐水性・透明性・成形性にナノカーボンの導電性能・電磁波吸収性能を付加し、従来の舗装材料にはない新性能を発現させることである。2年間の研究の過程で、以下の点を明らかにした。(1)コンポジット材料におけるナノカーボン添加割合を実験的に求めた。(2)当該コンポジット材料と舗装材料を接着する目的でアスファルト乳剤を用いていたが、これがナノカーボンの分散に極めて有効であることを明らかにした(特許を申請)。(3)ロードヒーティング/電磁波吸収舗装の実験装置製作、発熱性能・電磁波吸収性能の確認を行った結果、ナノカーボンを添加すると特に電磁波吸収性について、従来の同種材料にはない性能を発現させることができた。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
International journal of GEOMATE : geotechnique, construction materials and environment
巻: 2 ページ: 161-165