研究概要 |
本研究では,道路の路面性状の高速で計測を可能とするステレオ動画撮影とGPSを組合せた道路路面状態の高速診断システムの構築を開発した.この目的として,小型で安価なステレオカメラにより,ステレオ動画の画像処理を用いた三次元デジタルデータの取得はキーポイントである.また,GPSによる位置同定を組合せることにより,効率良く行えるシステムを構築することが可能になった. 具体的に,まずステレオカメラで動画像撮影を行い,静止画像を切り出し,それぞれの静止画像から三角測量の要領で路面の三次元座標を再構築する.そして得られた三次元座標同士をつなぎ合わせることで路面プロファイルとする.舗装路面や試験体の計測を通して,再構築精度を明らかにした. 次に,各ステレオ画像から再構築した三次元座標を互いの重なり部分が整合的であるようにつなぎ合わせるために,Iterative Closest Point 法(ICP 法)を改良して適用した.路面の三次元座標データにはふつう大きな変化が見られないため,ICP法をそのまま適用する場合,局所解に収束し正解に近づかない.そこで,適当な初期条件を与えるために,画像相関法を利用し,ICP 法と組み合わせた.その結果,移動量のごく小さな三次元座標同士の位置合わせを精度よく行うことに成功した. 最後にステレオカメラによる動画像撮影は,コンピュータを介して撮影の時間情報とGPSから取得した時間位置情報を自動的に同期した.撮影した画像を位置情報の同期する事が確認された.
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