研究課題
自然粘土の持つ骨格構造は,圧密再構成粘土とは異なっており,力学特性も大きく異なることが知られている.このような性質は年代効果と呼ばれる.一方,粘土の収縮特性は含水比や骨格構造に影響されることが知られており,収縮特性を応用すれば骨格構造を予測することが可能であると考えられる.本研究では,骨格構造を予測するための基礎研究として,圧密履歴の異なる粘土(一次元圧密粘土およびスラリー粘土)に対して,収縮特性(含水比wと体積変化V/V0,飽和度Sr,間隙比eの関係および収縮後の最小間隙比emim)と収縮過程における変形特性について以下の点を明らかにした.(1)初期含水比w0>wp(wp:塑性限界)において,w~V/V0,Sr,eの関係は,初期含水比毎に2本の直線で近似することができる.600kPa以上の高圧で一次元圧密したw0<wpの場合は,一旦収縮した後に少し膨張する挙動を示す.(2)初期含水比w0=0.6~0.9wL(wL:液性限界)の一次元圧密供試体の収縮後のeminは土の種類によらずほぼ一定になる.一方,初期含水比が高いスラリー供試体(w0=1.0~1.5wL)においては,収縮後のeminは少し大きくなる.w0<wpの場合は,w0=0.6~0.9wLよりも小さくなる.
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Soils and Foundations
巻: Vol.53, No.1 ページ: 47-63
DOI:10.1016/j.sandf.2012.12.003