寒冷地にある自然斜面や人工斜面では,春先の融雪期に斜面表層が崩壊したり,凍上と融解を繰り返すことで表層土が少しずつ斜面下方へ移動することが報告されている.そこで本研究では,凍上・融解前後における間隙比と透水係数の変化や,アイスレンズがなす面とほぼ平行にせん断することが可能な一面せん断試験装置を開発し,これを用いて凍上・融解履歴による変形強度特性の変化を調べた.さらに,鉛直・水平方向に伝播するせん断波速度の測定が可能な凍上試験装置を開発し,凍上・融解履歴によるせん断弾性係数およびその異方性の変化についても詳細に検討した.
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