研究課題/領域番号 |
23760448
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研究機関 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
吉川 直孝 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 研究員 (60575140)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 軽石 / コーン貫入試験 / 個別要素法 / 画像解析 |
研究概要 |
(1) 遠心模型実験のためのコーンの設計及び作成:先端抵抗値,周面摩擦,間隙水圧を計測できる直径15mmの円錐型のコーンを設計,作成した。合わせて,半径7.5mmの半円錐型のコーンも設計,作成した。半円錐型のコーンは,先端抵抗のみを計測できる。(2) 遠心模型実験のための土槽の準備等:直径約500mmの円筒状の土槽だけでなく,半径約250mmの半円筒状の土槽も準備した。半円筒状の土槽の前面は,透明なアクリル板でできており,デジタルカメラにてアクリル板を通して連続的に地盤を撮影し,画像解析により半円錐型のコーン貫入中の地盤変形を計測できるようにした。(3) マイクロCTスキャンの画像解析:軽石粒子は内部に空隙を有しているため,標準的な方法にて土粒子の密度を計測する場合には,内部の空隙を軽石粒子の体積として見積もってしまう。そのため,標準的な方法にて計測された土粒子の密度は,真値よりも小さいことが既往の研究から報告されている。そこで,本研究では,CTスキャン画像により,内部の空隙を可視化し,画像解析により実際の軽石粒子の体積等を算出し,軽石粒子の密度,軽石粒子のかさばりの密度,粒子形状を評価した。軽石粒子の密度は2.2g/cm3,軽石粒子のかさばりの密度は0.89g/cm3となった。軽石粒子のかさばりの密度は,水の密度(≒1.0g/cm3)よりも小さく,水に浮くことが証明された。また,軽石粒子のかさばりの密度を算出できたことにより,破砕する前の軽石粒子の集合体の間隙比も算出可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
軽石粒子のマイクロCTスキャン画像を解析することにより,軽石粒子の密度,かさばりの密度,粒子形状を評価でき,個別要素法解析や間隙比の算出に活かすことができるが,コーン貫入試験等は未だ実施することができず,コーンの設計及び作成,土槽の作成にとどまっている。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 実験準備,実験方法の検討:土槽,載荷装置,試料等を準備する。豊浦砂又は珪砂を用いてコーン貫入試験を行い,既往の研究結果と比較し,実験装置の妥当性を検証する。地盤作成方法等も検討する。(2) コーン貫入試験,要素試験:軽石に対してコーン貫入試験を行い,先端抵抗値,周面摩擦,間隙水圧を計測する。また,画像解析により,コーン貫入時の地盤変形を計測する。また,軽石に対して,三軸圧縮試験,繰返し非排水三軸試験を行い,せん断抵抗角,液状化強度比等を求める。(3) 個別要素法によるシミュレーション:多孔質な軽石粒子を個別要素法による解析で表現し,コーン貫入試験を行う。先端抵抗値等を実験結果と比較する。また,コーン貫入中の軽石粒子の弾塑性変形を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する予定の研究費は,コーンの載荷装置を円筒状及び半円筒状に設置する治具,軽石をニュージーランドから搬入するための経費等に充てる予定である。
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