研究課題/領域番号 |
23760448
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研究機関 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
吉川 直孝 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 研究員 (60575140)
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キーワード | 軽石 / コーン貫入試験 / 個別要素法 / 画像解析 |
研究概要 |
(1)遠心模型実験装置を用いたコーン貫入試験:豊浦砂に対してコーン貫入試験を行い、先端抵抗値、周面摩擦を計測した。既往の研究結果と比較したところ、精度良く先端抵抗値、周面摩擦を計測できていることがわかった。また、軽石に対してコーン貫入試験を実施し、Robertsonの土質分類図にプロットしたところ、豊浦砂との相違が確認でき、軽石を土質分類図から判別できる可能性が示唆された。 (2)要素試験:軽石に対して、三軸圧縮試験、等方圧密試験を行い、応力ひずみ特性等を評価した。せん断初期にはほとんど軸方向のみに圧縮され、側方ひずみはほとんど発生せず、著しい圧縮性を示した。また、軽石粒子においては、等方的な応力よりもせん断応力の方が粒子破砕を生じさせやすいことも明らかとなった。 (3)単粒子破砕試験:軽石粒子30個に対して、単粒子破砕試験を実施した。単粒子破砕強度も豊浦砂粒子と比べ、非常に小さいことが明らかとなった。 (4)マイクロCTスキャンの画像解析:軽石の粒子形状を3次元的に解析した。長さ、厚さ、高さの比、球形度を算出し、他の砂粒子と比較した結果、軽石の粒子は扁平な形状をしており、表面も複雑であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遠心模型実験装置を用いたコーン貫入試験等を実施し、Robertsonの土質分類図に軽石の結果を追加でき、軽石層の有無を判別できることを示唆した。しかしながら、個別要素法によるシミュレーションを実施できていないため、「やや遅れている」との達成度とした。
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今後の研究の推進方策 |
軽石に対するコーン貫入試験において、コーンの先端抵抗値が著しく小さい理由を明らかにするため、半円形土槽を用いたコーン貫入試験を実施し、コーン貫入中の軽石地盤の変形挙動を画像解析により計測する。 また、個別要素法(DEM)により、マイクロCTスキャンにより得られた軽石粒子の3次元形状を表現するDEM粒子を作製し、単粒子破砕試験をシミュレートする。これは、単粒子破砕強度を実際の結果と適切に一致させるためである。さらに、同DEM粒子群により軽石層を模擬し、コーン貫入試験をシミュレートする。これは、コーン貫入中の粒子の破砕、変形を評価するためである。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際会議への参加を予定しているため、その旅費として使用する。
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