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2011 年度 実施状況報告書

土砂輸送計測の最先端技術を用いた現地観測に基づく砂浜-砂丘ダイナミクスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23760452
研究機関東北大学

研究代表者

有働 恵子  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80371780)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード飛砂フラックス / 海岸植生 / 高頻度センサー / 経験的固有関数法(EOF)
研究概要

平成23年度は,調査対象砂丘の一つである鳥取砂丘について,その長期的な変形特性を把握するため,2006年から現在までの地形データを使用して経験的固有関数法を用いた解析(EOF解析)を行い,気象や海岸植生(砂草)分布との関係を調べるとともに,植生の有無が短期的な飛砂特性に及ぼす影響を明らかにするため,毎秒最大10000カウントの飛砂数を計測できる最先端の高頻度飛砂センサーを用いて草地と除草地における飛砂数と気象条件との関係を調べた. EOF解析により得られた空間関数(砂丘の長期的な空間変化特性)と時間関数(時間変化特性)について,それぞれ植生の被覆率と風速の3乗値(飛砂フラックスの指標)との関係を調べた結果,空間関数については,植生の被覆率が小さくなるにつれて地形変化が大きくなる傾向が,時間関数については,風速の3乗値が大きくなるにつれて地形変化が大きくなる傾向が認められた. 草地および除草地における短期的な飛砂データと気象条件との関係について調べたところ,植生により飛砂の発生が著しく抑制されることが定量的に示された.これまでほぼ同じ気象条件下における草地と除草地で同時に飛砂特性が調べられた事例はなく,極めて貴重な研究成果である.また,研究代表者がこれまでに行った観測結果と同様に,降雨によっても飛砂が抑制される結果が得られた. これらの成果は,砂丘における長期的かつ短期的な変形特性を明らかにしたもので,本研究で目的としている砂浜-砂丘ダイナミクスの構築を行う際の重要な知見となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予算等の関係から,当初の計画で設定していた調査対象砂丘を鳥取砂丘および鹿島砂丘に変更した.今年度は鳥取砂丘において,高頻度飛砂センサーを用いた観測とそのデータ解析を昨年11月以降に行う予定であったが,飛砂センサーに不具合が生じてメンテナンスが必要となり,それに伴う観測日程の調整ができなかったことから,観測が遅れている.しかしながら,合同観測を予定していた鳥取大学所有の飛砂センサーを用いた観測は予定通り昨年10月より開始されており,観測点数は少ないものの,おおよその飛砂特性については把握することができた.気象・海象データの解析については予定通り進んでいる.

今後の研究の推進方策

今後は,既に解析を行った長期的な潮位・波浪特性と地形変化との関係を調べ,今年度得られた長期的な砂丘変形特性と短期的な飛砂特性を合わせて解析することで,砂浜-砂丘ダイナミクスの構築を行う.もう一つの調査対象砂丘である鹿島砂丘についても同様に解析を行い,また,海外の研究事例等とも比較することにより,その一般性について検討を行う.

次年度の研究費の使用計画

今年度の残額は,当初計画していた現地調査を次年度に延期することによって生じたものであり,平成24年度請求額と合わせて以下の計画で使用する予定である. 鳥取砂丘や鹿島砂丘の現地調査旅費に90万円を,この調査で使用する風向風速計およびGPRのレンタルに60万円を使用予定である.また,これらの砂丘の過去の地形を把握するための空中写真購入に20万円を使用予定である.得られた現地データの解析や空中写真の解析の謝金として,50万円を使用予定である. 国内会議および国際会議における成果発表旅費にそれぞれ20万円と20万円を,学術雑誌投稿料に20万円使用予定である.プリンタトナー代として,13万円使用予定である.

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公開日: 2013-07-10  

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