砂礫混合海浜の安定性を適切に評価あるいは向上させることは、海岸の保全に資するばかりでなく、複数の粒径土砂の相互作用が海浜地形に及ぼす効果を解明する学術的にも重要かつ興味深い課題である。本研究では海岸の礫に非接触で個体識別が可能なRFID(Radio Frequency Identification)タグを埋め込み、個々の粒子レベルで長期間移動経路を追跡することにより、均一粒径海浜とは異なる砂礫海岸特有の海浜変形現象をとらえることに成功した。また、その現象が分級作用によって地形を規定する粒径が波浪条件によって変化することに起因することを明らかにした。
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