研究課題
本研究では、超高解像度気候モデルMRI-AM20kmの計算量問題と、アンサンブル出力を提供するMRI-AM60kmの粗い解像度の問題を同時に解決する方法として、バイアス補正を考慮した新たな統計的ダウンスケーリング手法を開発し、日本域及び世界域を対象に20km解像度のアンサンブル降水出力データを作成する。作成された超高解像度のアンサンブル降水出力データを用い、気候変動による洪水・渇水のリスク評価をより高い信頼性で実現し、予測不確実性の定量化することを目指す、上記の研究目標を達成するために、平成25年度は以下の二つの項目に関して研究を行った。・統計的ダウンスケーリング手法による20km解像度のアンサンブル降水出力の作成: 平成24年度に開発した独自の統計的ダウンスケーリング手法をMRI-AM60kmのアンサンブル出力へ適用し、20km解像度のアンサンブル降水出力データを日本域及び世界域を対象としてテスト作成した。東南アジア域を対象として作成した20kmアンサンブル降水出力データを高空間分解能の日降水量観測データであるAphroditeを利用して検証し、開発した統計的ダウンスケーリング手法の精度検討を行った。・ダウンスケーリングによるアンサンブル出力の予測不確実性の定量化: ダウンスケーリングされた20km解像度のアンサンブル出力データを用いて将来気候予測の不確実性を定量化することに挑戦した。しかし、結果としては、統計的ダウンスケーリング手法の影響より本来の出力が持つ特性に大きく支配されることを明らかになった。
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Journal of Japan Society of Civil Engineers, Series B1 (Hydraulic Engineering)
巻: 70(4) ページ: I_901-I_906