研究課題/領域番号 |
23760464
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金 洙列 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60508696)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 台風モデル / 気象モデル / 高潮 |
研究概要 |
当該年度の研究では1)台風中心が山陰沿岸に沿って日本海を北上し東北,北海道沖の深海に位置する時,つまり約10~15時間後に最大高潮偏差が発生する.2)太平洋沿岸に上陸する台風の場合その強度が typhoon という強い強度を持って上陸するが,日本海の山陰沿岸の場合は台風が対馬海峡より日本海に進入する際,強度は朝鮮半島や日本列島の地形の影響により強度が低下して cyclone または tropical depression に変化する.という特性を考慮する台風モデルを開発するために,台風0314号,台風0406号,台風0416号,台風0418号,台風0705号 による気象場(海面気圧,10m風)を韓国と日本の約224箇所の観測地点からデータを収集して台風モデルの開発を行った.まず,台風の進行方向を基準にして時計回りで10度,15度,30度,36度,45度,90度360度等角度を分けって角度ことの台風中心から最大風速までの距離を求める.このように求めた距離を台風モデルに用いて海面気圧と10m風を推算する.また,この距離を推算する時含む観測所の検討も行う.このような数値実験を上記の五つの台風に対して行う.さらに,気象モデルやsattellite dataを用いて各台風の気象場を再現し,台風モデルの風場と気圧場の空間補正を行う.この進捗状況から開発した台風モデルの汎用性を確保し,山陰沿岸における高潮メカニズムについてコリオリ力の影響を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
約224箇所の観測値は五つの台風について全部揃えっている.さらに,このデータを用いて台風モデルの開発を行っている.しかし,台風モデルの汎用性や空間補正に必要な気象モデルによる気象場を得るために少し遅れている.特に,高精度の気象場を得る為には細かい格子が必要であり,この研究部分で時間遅れが発生するが,山陰沿岸における高潮メカニズムを明らかにした研究等を並行して行っていることから現在までの研究進捗状況は順調である.
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今後の研究の推進方策 |
台風モデルの汎用性を求めるとともに,気象モデルと高潮・波浪結合モデルのSuWATを結合したシステムを開発する.この際,SuWATを拡張および改善し,複数の地域を高精度を持つ並列計算が可能なシステムの開発を目指す.このシステムの開発と共に,過去1951年~2005年までの台風や低気圧による高潮の再現計算を行いデータベースを構築する.台風来襲の時に,任意地点から次の地点に進む情報や台風て区政の変化などを Empirical Orthogonal Function Analysis を用いて予測できる台風情報を用いて,異常水位変動の予測システムを構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
文献(本,論文)等の購入費や国内・国際学会の研究成果発表の旅費に使用する計画である.
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