1.プローブデータによる交通サービスレベルデータの補正手法 プローブ調査を容易にするためのプローブ調査アプリケーションの開発を行った.本システムは,スマートフォンのGPSセンサによるプローブ調査を可能にしたアプリケーションで,端末保有者の位置情報(経緯度,日時)を取得すると同時に,端末のセンサを活用し,加速度や向き,角度などのデータも収集可能となっている.本研究では,構築したアプリをインストールしたスマートフォンを,一般市民の乗用車300台(収集期間1ヶ月)に取り付け,プローブカー情報(日時,経緯度等)を収集した.収集したデータは,マップマッチングを行い,リンク旅行時間に変換,DBに蓄積した.このリンク旅行時間蓄積データベースを用いてOD間の道路所要時間をリンクベースで計算することで,より現実に即した道路所要時間を算出することができる. 2.交通サービスレベルデータ生成システムのWeb-API化 OD情報からLOSを作成するプログラムを改良し,Web-APIを構築した.昨年度までに開発していた鉄道探索モジュールは,任意のOD間の鉄道経路情報(駅名,時刻,経緯度,アグレスとイグレスの経路距離と所要時間,鉄道所要時間,利用駅数など)のみであったが,今年度は加えて,起終点の緯度経度から住所を特定するための逆ジオコーディング機能,鉄道運賃の算出,および最寄りバス停までの距離も出力可能にした.鉄道運賃の算出にあたっては,株式会社ヴァル研究所「駅すぱあとSDK」を用いてプログラムで計算し,また,バス停までの距離算出にあたっては,国土数値情報の「バス停留所(点)」情報をベースに,株式会社ヴァル研究所「駅すぱあとWebソリューション」サービスを用いて補正を行った.本研究において作成した個々のWeb-APIは,現在,東京大学空間情報科学研究センター「人の流れプロジェクト」において一部公開している.
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