研究課題
道路整備や料金施策による交通流の円滑化は,平均旅行時間によって測られる速達性の向上のみならず,旅行時間信頼性の向上にも大きく貢献するため,その経済便益を適切に計測して事業評価に導入可能かどうかを検討することが求められている.その経済便益を推計するに当たっては,その価値付けを行うと共に,旅行時間変動の変化を予測する作業が必要となる.このような背景のもと,申請者は旅行時間変動の定義とその価値付けに関するミクロ経済学的観点からの基礎的研究をこれまで行ってきた.しかし,申請者のこれまでの一連の分析は,道路の単一リンクレベルでの交通移動という,極めて限定的な状況を想定したもので有り,より一般的な状況における時間信頼性評価値の理論的特性は明らかになっていない.また,実際の便益推計において必要となる利用者の効用関数のパラメータ値等も,従来研究の結果を参考値として用いるに留まっている.モデルの更なる拡張並びに実際の利用者行動データや旅行時間データへの適応が必要とされている.本研究では,申請者らが開発した統合的な利用者行動モデルに基づく旅行時間信頼性の経済評価手法の確立に向けた基盤づくりを行う.そのための具体的検討として,以下の読ん項目に関する研究を行った.(1) 経済評価のための統合アプローチによる利用者行動モデルのさらなる一般化;(2)リンク単位で比較的容易に推計される旅行時間分布を用いて,経路単位・起終点単位の旅行時間分布を推計する手法の開発;(3)交通需要や環境特性と旅行時間変動との関係を記述するモデルの構築;(4)選好意識調査の設計と時間信頼性価値の推計.
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