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2012 年度 実施状況報告書

社会的相互作用を考慮した自動車購入と機関選択に関する経年効果分析

研究課題

研究課題/領域番号 23760481
研究機関京都大学

研究代表者

SCHMOECKER J.D.  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70467017)

キーワード大衆心理の影響 / 旅行需要予測
研究概要

ワークパッケージ3(WP3)に記載の自動車保有に関する調査のデータ分析は完了している.この研究成果は既に何度か口頭発表を行い,論文は現在投稿中である.さらに,初回の調査の限界に関して議論を重ね,今年は改善を加えた調査を行う予定である.この研究では,国際的な知見を得ることとし,次の調査はレバノン,オランダ,アメリカの研究者と協力を得て実施する予定である.さらに,レバノンに位置するアメリカン大学ベイルート校の研究者であるMaya AbouZeid氏の協力により, WP6に記載されている目的に基づき,”masseffects(大衆心理効果)”に関して査読付き論文を執筆した.この論文では,様々な交通手段に関する意志決定(自動車の購入や駐車行動,交通手段の選択など)が他人から受ける影響とどのような関係にあるのかについて記述している.加えて,WP4に記載の数理モデルの作成も進行中である.昨年の報告書で述べていた論文は現在投稿中であり,この論文では,生活様式を自動車中心から公共交通中心のものへと変化させた人数の確定的推移確率および転移ダイナミクスについて記述している.ケーススタディでは,公共交通は元来不便なものであるにも関わらず,交通渋滞やサービスの改善,大衆心理効果を考慮することによって,公共交通中心の生活へと大きく変化し得ることが明らかとなった.確率モデルに関しては引き続き検討を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この研究は概ね計画通りに進んでいる.ただし,現在進行中の調査は本来の計画に含まれていなかった.初回の調査の結果と国際的な知見を得ることを考慮すると,この調査を追加することがプロジェクトにとって有用であると考えている.さらに,このプロジェクトの期間が終了しても継続しうる調査であると確信している.9月にはアメリカのバークレーにおいてワークショップを開催し,初回の調査の結果について議論する予定である.WP5に記載のagent based modellingは,追加調査とWP4記載の数理モデル作成のために,予定よりも多少遅れる可能性がある.

今後の研究の推進方策

この研究は様々な方向に発展する可能性が十分にある.数理モデル作成に加え,実験に基づいた研究も継続しうると考えている.トピックの一つとして,実際の現象に適用可能な理論的な知見を得ることが考えられる.現在,台湾高速鉄道の需要と供給に関するデータを収集しており,初期段階の分析では,大衆心理効果は昨年の需要拡大の重要な要因であることが示唆された.また,別のデータも収集中であるが,こうしたデータはしばしば商業的な面で注意が必要とされ,困難が生じている.

次年度の研究費の使用計画

今年度予算は提案書で計画された通りに使用する予定である.ワシントンD.C.で毎年開催されている“U.S. Transportation Research Board”に加え“Eastern Asia Society for Transportation Studies”に出席し,研究成果を報告することを検討している.さらに,協力を得られるオランダの研究者たちと一度議論をする必要があると考えている.また,特に愛媛大学の羽鳥剛氏や東京工業大学の福田大介氏といった,同様の研究している方々とともに日本で開催される学会に出席するために幾分旅費が必要になるだろう.
予算の一部は,データ加工の補助をする学生の仕事やデータ収集に使用する予定である.また,agent based modellingに関して追加の資料も必要である.最後に,ソフトウェアやプリンターのトナーなどいった消耗品に対して予算を使用する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Attitudes towards Road Pricing and Environmental Taxation among U.S. and U.K. Students2013

    • 著者名/発表者名
      Kim, J., Schmoecker, J.-D., Noland, R.B. and Fujii, S
    • 雑誌名

      Transportation Research Part A

      巻: 48 ページ: 50-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of Arrogance on Acceptance of TDM Policy2013

    • 著者名/発表者名
      Kim, J., Schmoecker, J.-D. and Fujii, S
    • 雑誌名

      Journal of Human Environmental Studies

      巻: 10 ページ: 71-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] インドネシア人の学生におけるマイカー所有の希望についての考察2012

    • 著者名/発表者名
      Belgiawan, P.F., Schmoecker, J-D. and Fujii, S.
    • 雑誌名

      第32回交通工学研究発表会論文集

      巻: 32 ページ: 259-266

    • 査読あり
  • [学会発表] Understanding demand/supply variations on transit network using smartcard data2012

    • 著者名/発表者名
      Kurauchi, F., Schmoecker, J.-D. and Shimamto, H.
    • 学会等名
      the 5th International Symposium on Transportation Network Reliability
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      20121218-20121219
  • [学会発表] Effects of Peer Influence, Satisfaction and Regret on Car Purchase Desire2012

    • 著者名/発表者名
      Belgiawan, P.F., Schmoecker, J-D. and Fujii, S.
    • 学会等名
      the 3rd International Conference on a Sustainable Future for Human Security
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20121103-20121105

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公開日: 2014-07-24  

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